恋するバニラ
一瞬その言葉に驚いたわたし
まさか先に向こうから切り出されると
思っていなくて体をビクンと揺らしてしまった
「ははは・・・当りっぽいね。
はい。紅茶どうぞ」
と、わたしに紅茶を差出してくれた
それとシフォンケーキも添えて
「ありがとう」とお礼を言って自分の方へと
それを引き寄せた
「あの・・・フラれた理由に納得がいかなくて
サエちゃんのなにがいけないのですか?」
「ストレートに聞くね。
俺はサエちゃんのことを好きだよ。でもね
サエコの好きと俺の好きの意味も重さも
違うんだ。それを話したら、わかってくれたよ
それだけだよ」
「わたし、恋愛ってなんなのかわからないから
失礼なこと言っちゃうかもしれませんが、
嫌いじゃないならなんで、付き合ってくれないんですか?」
「じゃあさあ。君・・・えっと、名前って」
「織田マシロです」
「ああ。そっか。君がシロちゃんかあ。徳永ケイゴです
って話それちゃうね。
シロちゃんは、クラスメイトの嫌いじゃない男の子に
ある日告白されて、翌日から付き合うことできる?」
その問に、わたしは即答でクビを横にふる
「だろっ?俺もそう、妹のような存在だったこに
ある日告白されたって、恋人にはなれないよ
ましてや中学生を恋愛対象に見れないな。俺は」
「中学生って言ってももう3年です。大人です
それにサエちゃん落ち着いているから
子供っぽくないし・・・」
「見た目が大人っぽくったって
俺から見たらガキはガキだ。」
「そんなことありません!」
わたしはムキになってカウンターに
身を乗り出だした