恋するバニラ

「マシロちゃん。落ち着いて」

ケイゴは苦笑いをして、わたしを

なだめてきた

それが子供扱いにしか思えなくて

さらにわたしはムキになる


「マシロちゃんって結構

 熱いタイプ?おとなしい

 お嬢様タイプかと思ったら

 やっぱり、類友なんだな

 サエちゃんと」


「え?」


「この先、もう少し自分の社会が

 広がったとき、本当に好きな子

 が現れるんだよ。サエちゃんは

 本当に綺麗な子だよ

 外見だけでなく、中身もね

 そんな子を自分のような

 存在が引き止めるのも

 どうかな・・・って

 思ったら正直怖くなった」


「?」


「告白。本当はうれしかったよ

 自分を1人の男として見てくれる

 サエちゃんが。でもね

 それと同時にまだ中学生と

 付き合うという、社会の目と

 サエちゃんへの独占欲が

 怖いんだよ」


ケイゴは正直な思いをわたしに

話してくれた

わたしは、真剣に聞いていた

ケイゴなりに悩んだ結果の

答えだとわかって、

安心した


「ケイゴさん。あのね

 本当はね。ここに来た理由

 実はわたしもケイゴさんの

 こと好きだって言いに

 きたんだ~」


「え?えええ!?」


予想外なことが起こって

ケイゴは動揺した

さっきまでの大人な雰囲気

は、どこへやら・・・

それがおかしくて

わたしはついつい、笑ってしまった


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