恋するバニラ
毎日通うと、ケイゴが
叱ってくるので
週一回の楽しみにしている
ケイゴとサエコは
親同士が会社の同僚で
小さい頃はよく
遊んだらしい
なので、今でも時々だが
家族ぐるみで会うらしいが
わたしにはここでしか
接点がない
「あ~~わたしもここで
バイトしたい」
「中学生はお断りですよ。
ちなみに女の子もパス」
マサトがそう言って
ドリンクを持ってやってきた
「きゃ~~ん。オーナー!!!」
マホとミナのテンションがあがる
実はこの2人のお目当ては
このマサト
たしかにかっこいい
見た目は本当にステキな男性
だけど、わたしは
ケイゴしか目に入っていない
このマサトは絶対曲者だ
なぜかわたしはそう思う
なにを根拠にかは自分でも
全くわからないが
とにかく、この人を
恋愛対象では見れない
「はい。これ新作のメニュー
他のお客さんが帰ったら
店内に入れてあげるから
これを試食して待ってて」
テラスに座らされる理由には
もう1つ理由があり
決まってここに座るときは
試作品を食べさせてくれるのだ
他のお客さんの手前もあり
考慮してくれるのだろう
なにせ、少ないお小遣いで
来ているので飲物だけで
手一杯なわたしたちには
本当にうれしいものだった
多少寒くたって、
テラスで我慢できる