恋するバニラ

ケーキを食べながら

わたしたちは会話を弾ませた

20分くらいして


「もう、中に入っていいよ」


ってマサトは呼んでくれた

さすがに天気がいいとはいえ、

体が冷えてきたので

その声は天から聞こえたかのよう


「わ~~~い」


マホとミナはうれしそうに走って

店内へと入っていっちゃった


「ちょっと~~マホ、ミナ

 自分のカップ持ちなさいよ~~」


サエコは文句をいいながら

トレイに全部のせていく

わたしはサエコのカバンをもってあげ

後ろからついていった

ここのカフェは不思議と4時から5時まで

なぜかお客がひく

なので、この時間に

お客がいないときは

ケイゴとマサトも会話に

入ってくる

それがとっても楽しくて

楽しみの1つになっているのだ


「ねえ。今日こそ答えてよ

 マサトさんは彼女いないの?」


マホは真剣な顔で聞いた

マサトは、ニコリとわらって


「それはひ・み・つ」


と右の人差し指を1本たてて

マサトの唇に当てて、はぐらかす

マホ毎回別れ際に聞くのだ

そして、その質問をするあとは

必ず、


「さあ、もう5時だよ。暗くなるから

 帰らなきゃね」


と追い出される

そして今日もやっぱり追い出された

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