恋するバニラ
昼休み以来、すっかりマホから
嫌われた
目が合うたびに
もったいない・・・ってオーラを
出している
人には好き嫌いがある
わたしはたまたま、その人に
好意をもてないのだから
仕方がないじゃない
わたしは大きなため息をつく
「元気ないね。マホから聞いたよ
シロ、なにがされたの?」
「・・・サエちゃ~~ん。聞いてよ~~」
サエコにコウイチの話を聞いてもらう
話を聞いて、サエコもわたしの意見と一致
「なにそれ。ムカつくわね!」
「でしょ?もうやんなっちゃう。
なにさまのつもりだと思う!」
「まあ、不幸な出来事だとは思うけど
実際片桐ってば、結構もてるのよ~
知っていた?シロ」
「そうなの?」
「ホント男子に疎いよね。シロって」
サエコは呆れ顔でわたしを見ている
確かに今思い返せば・・・たしかにいい男ではある
背もそこそこあって、顔も整っていて
なかなかの男子かも
でも、所詮は中学生
ケイゴのような大人の雰囲気がないんだよね
わたしからみたらみんな、お子様だよ
「ケイゴ先輩にはたしかに勝てないよね」
サエコはそう言って、
わたしの頭をノートで軽く叩いた
「えへへ・・・サエちゃん。今度はいつ行くの?」
「・・・いつも思うんだけど、シロはなんで
抜け駆けしようとか思わないの?
別にわたしなんか、無視して先輩のところ
行っても文句は言わないよ」
「う~~ん。たしかに・・・
でもわたしは、サエちゃんと行きたいの
何はなしていたかとか気になるし」
「でも、シロの知らないところで会っているかも
知れないのよ?そういうのは疑わないの?」
「・・・言われてみればそうよね?何でかな?
でもわたしはサエちゃんと行きたいんだもん」
サエコは困った顔でわたしを見ていた