恋するバニラ

放課後、下駄箱のところで

コウイチが立っていた

思わず、わたしは露骨に嫌な顔をしちゃった


「なんですか?昼休みのことなら

 謝りませんよ」


「違う。一緒に帰ろうと思って・・・」


少し顔を赤らめて、コウイチは

そう、わたしに言ってきた

思わずわたしも、赤面してしまう


「あの。わたし・・・」


「別に断られたって、即あきらめること

 ないだろ?それに俺のこと、知ってもらいたいし」


コウイチの言葉にわたしは、ドキッとする

わたしと同じ考えだったから


「知ってもらっても、それでも

 恋愛対象に見られなかったら。あきらめるよ」


「・・・」


「それって有りじゃねえ?」


「うん。有だと思う」


「じゃあ。まずはお友達から

 ってことで、一緒に帰ろう」


「でも、わたしサエちゃんと約束が」


「いいよ。シロ。わたし1人で帰るから」


いつの間にかサエコが背後に立っていた


「飯泉も一緒に帰ってくれよ

 会話途切れたら気まずいだろ?」


気を利かせて1人で帰ろうとするサエコを

コウイチは必死で止める

思わず、わたしもサエコも笑っちゃった

だって、ホントわたしそっくりなんだもの

きっと、わたしもケイゴのところに行くのに

サエコを連れて行くのは、

抜け駆け云々ではなく

会話が途切れたときが不安だったのだ




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