恋するバニラ

奇妙な取り合わせで下校

コウイチは結構有名人らしく

この取り合わせに学校内の誰もが

目を疑っていた

中には冷やかす人間もいたが

コウイチもサエコも完全にムシしている


こうやって見ていると

わたしより、サエコの方が

コウイチとお似合いに見えるのだが・・・


「なにジロジロ見ているの?シロ」


「ううん。なんでもない」


「なあ。聞いてもいい?

 なんで織田って飯泉にシロって

 呼ばれるようになったんだ?」


「は?わからないの?犬っぽいでしょ

 だからシロよ。マシロのシロ」


「・・・へえ。織田はそれでいいの?」


「違う。違う。本当の理由はサエちゃんが

 名前勘違いして小学校のころに覚えていたの」


「あはは・・・思い出した。そうそう

 この子が自己紹介したとき、小さな声だったから

 マが聞こえなくてさあ。しばらく本当に

 シロって名前だとおもっていたのよ~~」


サエコは思い出し笑いをしておなかをかかえて

笑っていた


「同じ小学校だったっけ?2人?」


「そうなの。途中わたし、お父さんの仕事の

 都合でアメリカに住んでいたけど、

 元々はシロと家が近いのよ」


「へ~~幼馴染っていいな~~」


「片桐くんはいないわけ?」


「いるよ。でも女。同性でほしかったよ」


「へ~~どんな子?同じ学校でしょ?」


「あれ?あいつに聞いていない?

 笹本マホだよ。あいつ~~~

 それとなく織田に俺を紹介しとけって

 言ったのに・・・・」


意外な名前が出てきて、

わたしもサエコもポカンとしてしまった

そんな話1度も聞いていない

もう何ヶ月も友人だったのに・・・

心のそこでまだマホがわたしを

うらんでいるのかな・・・と思うと

少し寂しくなってしまった

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