恋するバニラ

サエコは本屋に寄るからと

途中でわかれた

わたしたちを2人にしようとする

口実だとアリアリとわかったが

どのみち、あと少しでわかれる

交差点だったので

「じゃあまた明日」

とわかれた

2人になってから、ちょっと

気まずい雰囲気

マホと幼馴染と聞いてから

ぎこちなくなってしまう


「織田?ちょっとそこで話さない?」


ちょうど、サエコの家の近くの公園まで

来たとき、コウイチはそう言った。


「・・・う・・・うん・・・」


断る理由が見つからず、わたしは

うなずく

公園の入り口の自販機でジュースを買い

ベンチで座る


「あの。1つ聞いていい?なんで

 わたしのこと好きになってくれたの?」


「俺、マホと幼馴染だろ。あいつ男っぽくてさあ

 おとなしい女の子にあこがれていたんだ。1年んとき

 まず一目ぼれ」


「一目ぼれですか・・・」


「うん。それから、気になって時々目で追っていて

 気がついたら好きになっていた。

 最近はマホがよく織田の話をするから

 どんな子か聞いてますます好きになった」


「笹本さんの・・マホの気持ちはどうなるの?」


「マホには悪いと思うけど、彼女はこの先も

 恋愛対象としては見れない。これははっきり

 言ってあるよ。幼馴染として、友人としては

 付き合えるけどね」


「そ、そんな・・・」


「じゃあさあ。織田は好きでもない人間と

 義理で付き合える?」


「・・・できない・・・」


「だろ?期待持たせるより、俺ははっきり言うよ」


「わたしもはっきり付き合えないって

 貴方に言ったよ?」


「うん。分かっている。だからまずは

 俺を知ってもらって

 それでもダメならあきらめるよ」


そう笑顔で言う

前向きなコウイチにわたしはきゅんとしてしまった


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