恋するバニラ
はじめて2人で話したのに
その後、日が暮れそうになるまで公園にいた
「シロたちまだ帰ってなかったの?」
本屋の帰りだったサエコが声をかけて
くれなきゃ長い時間話しているのさえ
忘れてしまっていた
慌てて帰ろうとするわたしを
家までコウイチが送ってくれた
「ごめんね。遠回りさせちゃって
もう真っ暗だし・・・」
「いいよ。今日は楽しかったよ
思っていたとおりの子だって
わかって今日改めて織田を
好きになったし、収穫収穫」
その言葉にわたしは真っ赤になってしまった
わたしの反応をみてうれしそうにコウイチは
笑って帰っていった
姿が見えなくなるまで見送っている自分がいた
わたしはコウイチに惹かれていたのかも
しれないと思った