恋するバニラ

はじめて2人で話したのに

その後、日が暮れそうになるまで公園にいた


「シロたちまだ帰ってなかったの?」


本屋の帰りだったサエコが声をかけて

くれなきゃ長い時間話しているのさえ

忘れてしまっていた

慌てて帰ろうとするわたしを

家までコウイチが送ってくれた


「ごめんね。遠回りさせちゃって

 もう真っ暗だし・・・」


「いいよ。今日は楽しかったよ

 思っていたとおりの子だって

 わかって今日改めて織田を

 好きになったし、収穫収穫」


その言葉にわたしは真っ赤になってしまった

わたしの反応をみてうれしそうにコウイチは

笑って帰っていった


姿が見えなくなるまで見送っている自分がいた

わたしはコウイチに惹かれていたのかも

しれないと思った

< 32 / 37 >

この作品をシェア

pagetop