恋するバニラ
今日もまたマホを怒らせたようで
朝からマホはわたしを無視してきた
いい加減彼女のご機嫌取りは
うんざりしてきたので
わたしも言い訳するつもりない
今日は静かに過ごすことにした
「なあに。またマホ怒っているの?」
サエコはわたしにそう声をかけてきた
大きなため息をついてから
サエコにわたしはコウイチの
メールの件を話すと、サエコは
笑い出した
「サエちゃん!!!」
「悪い。なによ~~マホったら
シロに当たっているだけじゃない
シロ災難ね~~毎回」
「でしょ。でもさあ。それだけ
好きなんだって思うと、
仕方がないのかな・・・って」
「あれあれ~~シロ~~
大人になったのか?」
「そういう意味?」
「前だったらさあ。自分に八つ当たりするな!
とか言って怒っていたじゃない
相手の気持ちも分かるように
なったんだね~~えらいぞ~~
シロ!」
「わたしは犬じゃない!」
「あはは・・シロったら
本当にかわいいぞ!」
そう言ってわたしに
抱きついてくる
本気でわたしを犬扱いしているのか
そのまま頭を撫でてくるから
真っ赤な顔でサエコの手を払う
「もう!サエちゃんったら!!!」
サエコの存在はわたしにとって
本当に大事な存在だと思う
わたしの気を紛らわせるために
声をかけてくれたのは
すぐにわかった