恋するバニラ
カフェドルチェ
「いらしゃい。おや?今日は
誰かの彼氏連れかい?」
オーナーのマサトが、にこやかに
ドアを開けて歓迎してくれた
ちょうど、お客が引いた時間だったようで
店内には2組ほどの女性客が座って
いるだけだった
「聞いてよ~~マサトさ~~ん~~
マホね~片桐のこと好きなのに
片桐は織田のこと好きだって~~
振られちゃったの~~慰めてよお」
マホは、そういって
どさくさまぎれに、抱きつこうと
勢いよく、マサトに駆け寄るが
右手でマホの頭を受け止めて
かわしてしまう
(拒否られている・・・)
その場にいた人全員がそう思ったに
違いない
「まあ、席に座ってゆっくりしていって
ケイゴにオーダー取りにこさせるから」
そう言って奥へといってしまった
「あ~~ん。マナトさ~~ん!!!」
名残惜しいマホをよそに
ケイゴが、マナトと入れ違いに
お冷をもって、現れた
「いらっしゃい。あれ?今日は
誰かの彼氏連れ?」
「もう!ケイゴさんまで~~~!!!」
マホは、今度こそ泣きそうな顔をした
「え?なんか俺、変なこと聞いた???」
ケイゴは、焦ってマホをなだめていた
それがおかしくて、みんなで爆笑だった。
「え?ええ???」
ケイゴは、なにがなんだかわからなくて
一人焦っていた