異次元の旅人(ディメンション トラベラー)

「行っちまうのか……」

バイクの調整を終えた男の後ろにオブラインは立っていた。

「親方……」

オブラインはそれを聞いて寂しそうにする。

「まだそう呼んでくれるのか？」

男は目を閉じて頷くとバイクに跨った。

「無論です」

オブラインは男から預かっていた２つの剣を手渡した。

その剣は薄く鋭い刃を持ち赤い宝石のような物が半分に割れて付いており、持ち手の上には鬼の物のような角が付いていた。

「今までで一番良い弟子であったよお前は……」

「ありがとうございます」

男は心からオブラインに頭を下げた。

そしてバイクにエンジンをかける、走り出そうとしたときオブラインは男に叫んだ。

「未練が残らねーように聞いてやる!!ファルス!!お前の名は!!」

男はエンジン音に負けないぐらいの声で叫んだ。

「聖騎士団隊長、エンド・ローレック!!」

その後すぐにローレックはエンジン音と共に姿を消した。

この街の悪の根元に天誅を下すために……ヴィンセントと共に