異次元の旅人(ディメンション トラベラー)

「てめぇ～何もんだぁ～何であんなヲタクっぽい男に追いかけられてんだよ！」

エンジンが五月蝿いので大声で男が話しかける。

「ヲタクってなぁにぃ～？」

女の子は必死にしがみついて質問する。

「そうか…此処は流行ってないかヲタク」

しばらくは沈黙が続き砂利の音とエンジンの音が鳴り響いていた。

女の子が沈黙を破り行き先を指示した。

「なぁ～姫(プリンセス)そろそろ自己紹介しないか？」

女の子は姫と呼ばれ少しギクッとしたがすぐに自己紹介を始めた。

「オリオ・キャレットよ、オレットって呼んで」

「OK!!onion・carrotね宜しく」

オレットは男の頭をペシッと叩く。

「冗談だ!!俺はシルウィルド・ヴィンセントだシルヴィって呼んでくれや～、で追われた理由……てか思い出した！帽子返せ!!」

女の子は必死に片手でかぶった帽子を押さえた。
「そんなに気に入ったのか……まぁ借すぐらいなら良いけど大切な物だから必ず返してもらうからな！」

そしてまた沈黙が続き見えてきた………
荒れた荒野に佇む大きな街リオルズが……