空の神衣
『押しが効くトップで壁作って、グランドに持ち込みたいんやけど』

 高校でレスリング部を作ったほどの格闘マニアである晶は、組み合いになれば負けない自負がある。

 元々体術を活かすために手元から離して使える武器を考えたのだ。

『見た限り、おっちゃんの剣は純粋な斬り武器みたいやし、懐割りさえすれば勝ち目はあると思うんよ』

『晶はインファイトが得意だからね。だけど、ミシェルも剣以外の奥の手があるかも知れない』

 アルゴスの懸念はもっともだが、それは晶も考えていたことだ。

『とにかく動いてみんことには、どないも手詰まりや』

 危険を承知で局面を変える。

 長期戦を避けたい晶は勝負をかけることにしたのだ。
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