空の神衣
 シオンがイーフリートを頭上に高く掲げると、柄の先から新たに刀身が伸び、炎に包まれる。

「すげえな。あんなこともできるのか」

 津也が感心して見ていると、影縫の声がする。

『第2段階の能力を発動したんだよ』

『俺にも、あんなことできるのか』

 警戒したまま、津也は影縫に問う。

『今すぐ、というわけにはいかない。カードの能力が解放されるには、キーとなる衝動が必要なんだ』

 よくは分からないが、能力は増やそうと思って増えるものではないらしい。

 それなら、今使える技で闘うまでだ。

 津也がそう考えて構えた瞬間、

「ヒャハハハアァッ」

 どこからか、騒々しい笑い声が聞こえる。
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