空の神衣
 あるはずの天井は、なかった。

 暗闇の虚空を、二人は昇っていく。

「これだけの高さから落とせば、確実に致命傷になる!」

 上昇が止まり、急降下が始まる。

 その間に、晶はミシェルの足を脇に抱え、両足で喉を絞める。

「魁瀑震!」

 大きく一声叫ぶと、晶はミシェルを頭から床に叩き付ける。

 ズオアアァァンッ!

(殺した…)

 着地すると、晶は技を解く。

「やっぱり、こんなんイヤや…」

 天を仰ぐ晶は、一つ気になることを思い出す。

 飛行機を撃ち落とした時、ミシェルの左目は開いたままだった。

『あの高さから落ちたんだ。生きているとは考えにくい』

 アルゴスの言葉も、どこか不安げだ。

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