空の神衣
「何だぁ?」

 気勢を削がれた津也が声のした方を見やると、異様なほど長いムチを両手に持った、緑色の鎧を纏う男が立っていた。

「ククク…クケケケケケケ…」

病的に白い肌のその男は狂気をはらんだ顔で、不気味に笑う。

「なんだよ、こいつ」

 津也のつぶやきに、シオンが答える。

「コルティール…」

「知り合いなのか」

津也の問いに、

「できることなら、忘れたいですわ」

 シオンはこめかみを押さえて答える。

「まあ、かなりイカレた奴だってのは分かるけどさ」

「アルベルト・コールティール。当人曰くイタリア・マフィアらしいのですが…見ての通りの変人ですわ」
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