空の神衣
「相手が砂に潜ってるんなら、まず引っ張り出さないことにはケンカにならない。爆震鎚だ」

『広範囲に振動を送ると威力が落ちる。力を溜めるんじゃ』

 太刀風の声と共に、蒼馬の手に巨大な金槌が現れる。

 柄を握って低く構え、蒼馬は金槌を振り下ろして砂地を打ちすえる。

「っせえぇいやあぁっ」

 ずぐん。

 重い振動が一帯に広がる。

 しばらく様子をうかがうが、全く変化は見られない。

「今ので届いてなかったのか?」

『余程深く潜んでおるのやも知れんな』

 再び金槌を構えようとする蒼馬に、背後からルイが声をかける。

「そ~ま…私も、戦う」

 ルイはなんとか体を起こしてはいるが、まだ型膝をついて立ち上がれずにいる。

「そんなザマで何言ってんだよ。いいからそこで寝てろよ」
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