空の神衣

まったくたつせがない

 慌てて振り向くと、長い杖を携えた白い法衣の女が立っていた。

「李苑!なんで、ここにいるんだよ?」

 狼狽して言う蒼馬に、李苑は平然と答える。

「るんるんの波動が乱れたのを感じてね。なにかあったんじゃないかなと思って来てみただけよ。あんたはオマケ」

 李苑はルイをるんるんと呼ぶ。

 倒れているルイを一瞥すると、杖を構える。

「外傷は大したことなさそうね。蒼馬、るんるん連れて下がって」

「え?」

 蒼馬が李苑の言葉を理解できずにいると、また聞き覚えのある声が聞こえる。

「邪魔やから引っ込め、言うとんねん」

「晶?なんでお前まで出てくるんだよ?」
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