空の神衣
「あっちゃん、敵が飛び出したら動きを封じて」

 李苑の言葉に、晶は無言で頷く。

 構えてはいないが、油断なく周囲を警戒する。

「ルシフェル、地中まで凍らせるわよ」

『イエス、マスター』

 李苑の短い指示に、ルシフェルが無機質な声で答える。

 ピキ…ピキ…

 砂が凍っていく音が、静かに響く。

「あいつ、前に戦った時より力をつけてる」

 晶同様周囲を警戒しながら、蒼馬は感嘆する。

「そ~まのせいだよ」

 いつの間にか目を覚ましていたルイが、蒼馬の襟を掴んで言う。

「オレの?」

 きょとんとしている蒼馬に、ルイは晶と同じ呆れ顔になる。

「ほんとに鈍い…」

「え?」

「りんりんもあっちゃんも、そ~まが戦いに巻き込んだんだよ」

 ルイは臨戦態勢の二人に視線を移す。
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