空の神衣
「さっぱり緊張感ないやつらだな」

 四人の様子を離れて見ていた津也は、ぼりぼりと頭を掻く。

「やっちゃう?」

 闇珠の問いには首を横に振る。

「それじゃあ、身も蓋もなさすぎだろうぜ」

「敵に対して甘過ぎなのよ、津也は」

 闇珠は仏頂面になる。

「そう言うなよ。それにしても、あのパラサイトはどうやって力を引き出してるんだろうな」

 手をかざして戦場を見やりながら、津也は疑問を口にする。

「宿主の痕跡が全く感じられないのに、力が噴き出してる」

「そんなこと、どうして分かるの?」

 闇珠が不思議そうに尋ねると、津也もまた不思議そうに返す。

「サバイバーなら、誰でも分かることじゃないのか」

「ないない。そんなの、分かるわけないでしょ。私にもさっばりよ」

 ぱたぱたと手を振りながら言う闇珠に、津也は困惑する。

「サバイバーの能力じゃなかったのか。アルベルトと戦った時に突然見えるようになったんだが」

 考え込む津也の顔を見上げ、闇珠も首をかしげる。

「やっばり普通のサバイバーとは違うみたいね」
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