空の神衣
「動きが速過ぎるわ。目で追えるレベルじゃないし、衝撃波を止めてから反撃したんじゃ当たらない」

 ただでさえ機敏な動きが苦手な李苑は、撃ち出される衝撃波を氷結させるのが精一杯だ。

「空間全体凍らせたりとか、でけへん?」

 体術には自信のある晶も、瞬発力では圧倒的に敵が秀でている。

「無茶言わないで。動かない砂を凍らせるのとはワケが違うのよ」

 できるものならやっている、と言いたげに李苑は苛立った声で答える。

「せやけど、おかしいと思わん?あの程度の衝撃波でルイを吹っ飛ばせるかな。他に技もってるんちゃうか」

 晶は疑問を李苑にぶつける。

 李苑も、そのことは気になっていた。

「確かに。技ってセンもあるけど、実はさっき砂を凍らせた時、手応えが変だったの」

「ヘン?砂がヘンていうと、流砂とか」

 敵が見えないだけに、推測もまとまらない。

 そうこうしていると、足元が揺れる。
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