空の神衣
「だけど、オレ達を狙ってこないってことは、火事場泥棒でもないか」

 蒼馬はルイをかばいながら周囲を警戒する。

 なにせ10メートル近い高さから落ちたのだ。

 幾分回復しているとはいえ、まだ体が思うように動かない。

(なりゆきだけど、オレが守るしかないよな)

 そう思いながら李苑達の方に目を向けると、砂の中から巨大な鋏が突き出た。

「うわきゃああぁぁっ」

 奇声をあげ、晶が大きく飛び退く。
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