空の神衣
「ああっ、あれは!」

 突き出たその鋏を見た蒼馬は、激しく驚く。

「あれは…そんな…ウソだろ?」

「どうしたの?」

 ルイが不思議そうに尋ねると、蒼馬は愕然とした顔のまま答える。

「あの蠍の鋏、あれは太刀風と契約した時に考えて、保留にした能力なんだよ」

 蒼馬は最初、とにかく大きな武器が欲しいと考えた。

 しかしすぐに、あまり大きいと扱いにくいだろうと考えなおしたのだ。

「他の誰かが、同じような武器を考えたんじゃないの?」

 もちろん、それは蒼馬も考えた。

 だが、現れた鋏は色といい形といい、蒼馬がイメージしたものと全く同じだった。
< 143 / 264 >

この作品をシェア

pagetop