空の神衣
「おおまかな形だけならともかく、色まで同じ物を思いつく奴がいるわけない」

「確かに…」

 言われてみれば、その通りだ。

「じゃあ、衝撃波も誰かが考えた能力なのかな」

「あり得るな」

 蒼馬は話しながら、ルイの顔色を見る。

 まだ焦点が定まっていないが、いくらか回復したようだ。

「あいつ、砂の中を掘って進んでるらしいな。いきなりこっちに出てこないとも限らない」

 ルイの体力が充分戻るまで時間を稼ごうにも、敵がどこにいるのかすら分からない。

「突き出る鋏は、砂が震動するから回避できるだろう。問題は飛び回るやつが撃ってくる衝撃波の方だな」

 姿は見えない、攻撃をかわしてからではこちらの反撃が間に合わない。
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