空の神衣
「そのことなんだけど、ちょっと考えたことがあるんだ」

 ルイが自信なさげな顔で言うと、蒼馬は先を促す。

「オレは何も思いつかない。何でもいいから言ってみてくれ」

 ひとつ頷くと、ルイは推測をまじえて話す。

「さっき、鋏が開いた瞬間に何か飛び出したように見えた。そいつが衝撃波を撃っていたんだと思う」

 蒼馬がかばってくれたおかげで冷静に戦況を見ていたルイは、開いた鋏から何かが撃ち出されるのに気づいたのだ。

「もうひとつ気づいたことがある。李苑達の方を見ていたら、空中で何か弾けた」

「弾けた?」

「うん、多分鋏が撃ち出したやつだと思う。衝撃波を連発してこないのは使い捨てだからじゃないかな」

 確証などない。なにしろ、鋏から飛び出した物が何なのかすら分からないのだ。

「賭けになる」

ゆっくり立ち上がるルイを、横から蒼馬が支えてやる。

「付き合ってやるよ」
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