空の神衣
 闇珠のつぶやきに、津也はリボルバーを構えたままで返す。

「なるべくして…って、そもそもサバイバーは資質のある人間がなるものなんだろ」

『そう…だけど、そういうことじゃないのよ』

 闇珠の言葉は歯切れが悪い。

『選ばれたんじゃないと思うわ。私達があなたに呼び寄せられたのよ。なるべくして、ね』

「俺が影縫や闇珠を選んだみたいな言い方だな」

『私達を呼び寄せる何かを、津也が持っているのは間違いないと思うわ』

 闇珠は何やら納得したようだが、津也は面白くない。

「俺はただの大学生だ。特別な存在なんかじゃないよ」
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