空の神衣
終章はかくも苛烈に
どうしてもさけられない
「津兄ぃ、味噌これくらいでええかな?」
鍋の蓋を取り、晶は津也に尋ねる。
「ああ、そんなもんでいいだろう」
津也はツバスを捌きながら、晶に顔だけ向けて答える。
両親が旅行で不在なのを理由に、晶は津也の家に泊まり込んでいる。
一人で退屈だからだと晶は言うが、津也も闇珠もそれが本心でないことは察しがついた。
アルゴスを失ったばかりの晶は、孤独感にさいなまれているだろう。
退屈というより、辛いのだ。
だから、晶がしばらく泊まると言った時、二人とも反対しなかったのである。
「晶、ちょっと火が強いんじゃない?」
わさびを擦っていた闇珠が晶の袖をくいくいと引っ張る。
「ああ、せやな。こんなもんかな」
晶は鼻唄を歌いながらツマミを捻り、闇珠の頭を撫でる。
「ウチが選んだカーゴ、似合うとるやん」
「サイズ、ぴったりよ」
闇珠は爪先をトントン鳴らし、ウインクして見せる。
鍋の蓋を取り、晶は津也に尋ねる。
「ああ、そんなもんでいいだろう」
津也はツバスを捌きながら、晶に顔だけ向けて答える。
両親が旅行で不在なのを理由に、晶は津也の家に泊まり込んでいる。
一人で退屈だからだと晶は言うが、津也も闇珠もそれが本心でないことは察しがついた。
アルゴスを失ったばかりの晶は、孤独感にさいなまれているだろう。
退屈というより、辛いのだ。
だから、晶がしばらく泊まると言った時、二人とも反対しなかったのである。
「晶、ちょっと火が強いんじゃない?」
わさびを擦っていた闇珠が晶の袖をくいくいと引っ張る。
「ああ、せやな。こんなもんかな」
晶は鼻唄を歌いながらツマミを捻り、闇珠の頭を撫でる。
「ウチが選んだカーゴ、似合うとるやん」
「サイズ、ぴったりよ」
闇珠は爪先をトントン鳴らし、ウインクして見せる。