空の神衣
「別に、それで倒せるとは思ってないさ」

 平静を装ってはみたものの、津也は著しく疲弊していた。

 闇珠との同調が万全ならば、津也のサバイバーとしての力はほぼ無尽蔵だ。

 渇れることのない力が無限の装弾を可能にすることで、津也は驚異的な火力を獲得できた。

 だが、変異を起こしている闇珠は津也に充分な力を送れない。

 そのために、津也は急速に精神力を刷り減らせていたのだ。

 この状況で闇珠を遮断するのは自殺行為だ。

 だが、既に闇珠の力はほとんど感じられない。

 一人で戦っているのと大して変わらないのだ。

 闇珠もまた、同調に限界を感じていた。

 津也を戦えるようにするには、ふと思いついたある方法を実行するしかないと思えた。

 津也は同意しないだろうが、他に打つ手はありそうにない。

『津也』

 意を決して、闇珠は切り出す。

『私を取り込んで』

『なんだって?』

 突然の言葉に、津也はその意味を計りかねる。
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