空の神衣
『もらうって…どういうことよ?』

 闇珠が呆気にとられていると、カードから凄まじい波動が押し寄せる。

『な…なによこれ?』

 押し寄せた波動が闇珠を取り巻き、絡み付く。

 闇珠は激しい喪失感に捕われる。

 突如、全ての力が失なわれたのだ。

 一瞬にして、剥ぎ取られるように。

 直後、闇珠は同調を失い、津也の意識から弾き出される。

「きゃあああっ」

 どしゃっ。

 実体化した闇珠は、放り出されて尻餅をつく。

「いったあ…」

 立ち上がった闇珠に、津也は背中を向けたままで言う。

「どうやら、完全に人化したようだな」

「…え?」

 その時ポニーテールがほどけて、長い黒髪が闇珠の顔や肩に降りかかった。

 見ると、津也の手に黒い珠が握られている。
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