空の神衣
「単に切り離した、ってだけじゃない。力だけ置いて行ってもらったんだよ」

「力だけを取り込んだだと?そんな事が、できるはずがない」

 驚愕するアガートラーム。

「試したことが、一度でもあるのか。できるわけないって、勝手に決めつけてただけだろう」

 津也の言葉に、アガートラームは何も言い返せない。

「つまらん、と言ったのは、さっきの答えに対してじゃないぜ。いちいち自分の言動に言い訳しようとする狭量さに対してだよ」

 言いながら、照星はアガートラームから外さない。

「立派な答えなんか、期待してないさ。生き続けたいと思うのは、人間として当然の心理だ」

 津也の目からは、怒りも憎しみも伝わらない。

 ただ、アガートラームを倒すべき敵として見据えている。
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