空の神衣
「そんな身勝手な我儘のために、命を踏みにじられてたまるかあぁぁっ」

 激情が津也の体から溢れ、突風を起こす。

 至近距離にいたアルベルトは弾き飛ばされ、離れていたシオンも鑪を踏む。

「…な、何事ですの?」

 片手で顔をかばい、風圧に耐えながらシオンはイーフリートに尋ねる。

『不明。能力の解放に類似するも、異質なり』

 その答えに、シオンは更に困惑させられる。

(一体、何事ですの?シンヤには不思議な印象があったけれど…)
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