空の神衣
 津也を取り巻く黒い風は、更に激しさを増す。

「うぅぅおぉぉぉっ!」

 拳を繰り出す。

 ドオオォウウゥッ!

 黒い風が無数の刃となり、アルベルトを切り裂いた。

「うおああぁぁっ!」

 袈裟掛けにされたアルベルトは、胸板から鮮血を吹きながら倒れこむ。

「投降しろ。カードを捨てるなら、見逃してやるよ」

 アルベルトを見下ろして津也は言う。

 しかしアルベルトは激しくかぶりを振る。
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