空の神衣
「たっ、助け…て…」

 津也にすがるように伸ばした腕が、蔦のようにほどけて伸びる。

「なっ、何ですの、一体これは?」

 異様な光景に、シオンは直視できない。

「アルベルトが、カードに食われてるんだ」

 眉をひそめ、津也は言う。

「影縫が言ってた。自我が希薄になるとカードに食われるって」

 既にアルベルトは人の姿をしていない。

「こうなったら、もう止めようがない。倒すしかないんだ」

「そんな…」

 いかに忌み嫌う相手とはいえ、シオンはアルベルトの惨状が哀れでならない。

「すぐに心までカードに支配される。抵抗も長くはもたないだろう」
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