空の神衣
 アルベルトに向き直る津也の体から、黒い風が吹き出す。

「俺の願いが決まった。
この鬱陶しい戦いを終わらせることだ!」

 構えると、全身にわだかまる風が両足に集まっていく。

「その風…あなたもカードに侵蝕されているのではありませんの?」

 問うシオンに、津也は目を伏せて答える。

「…影縫は、もういないよ。この空間が解除されたら、多分俺は二度と戦えない」

「影縫が…いない?」

 言葉の意味を計りかねるシオンに、蔦の怪物と化したアルベルトが襲いかかる。

「危ないっ」

 慌てて津也が突き飛ばす。

「きゃああっ」

「ぼさっとしてるなよ!あいつは動くものを見境なく攻撃するぞ」

 そう言う津也も、避け損ねたか背中から出血している。
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