空の神衣
「!あなた、その傷…」

 シオンは目を見張る。

「大した…ことじゃ、ないさ」

 しかし、明らかに津也の顔付きが険しい。

(くそ、毒の効果は残ってたらしいな)

 津也とて、アルベルトに恨みがあるわけではない。

 しかし、完全に異形化したアルベルトに対し、倒す以外にできることなどない。

「悪く思うなよ…助けられるもんなら救いもあるんだがな…」

 流石に、人の命を手にかけるというのは気が咎める。

(ん?何か、アルベルトの中で渦巻いているような…)
< 31 / 264 >

この作品をシェア

pagetop