空の神衣
(これで倒せてなかったら、もうお手上げだ)

 起きてくるな。

 津也の、正直な思いであった。

「グ…ウ…オオオ…」

 唸り声をあげながら、アルベルトは起き上がろうともがく。

(沈め…終わってくれ)

 立っているのもままならず、へたりこみながら津也は懇願していた。

 と、

 ビキイィン!

 アルベルトの体に亀裂が走る。

 亀裂は見る間に全身に広がり、体がぼろぼろと崩れていく。

(やった…のか?)

 津也が見ていると、崩れた蔦の下からアルベルトの体が現れる。
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