空の神衣
 ままならないことなどない王は、自分は特別な存在だと思っていた。

 望めば、全てが叶うと思っていた。

 事実、叶わない望みはなかった。

 富は余るほどあり、欲しいものは全て奉納された。

 望めば、全てが叶う。

 王は、自分は人を越えた存在だと思っていた。

 何でも、思い通りになるのだから。

 ひとつを除いては。
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