空の神衣
「え?な、なんだ今の声は」

 唐突に聞こえた少女の声に、津也は驚いて辺りを見回す。

 どう考えても、シオンの声とは全く違う。

 もう一度カードを額にかざすと、また声が聞こえた。

『驚いていないで、まず私に名前をつけてほしいな』

(驚くのが普通だろ、こういう場面は)

 内心で不平を唱える津也。すると、

『そういうものかな。生憎、人間の心理には疎いものでね』

 声は津也の意識に直接響いてくるようだった。

 ふとシオンを見ると赤いカードを額にかざしている。

   カッ

 カードが光ったかと思うと、シオンの手には大振りの剣が握られており、ドレスが鎧の様に変化している。

(なるほど、契約するとああいうことができるわけか)







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