空の神衣
 闇珠の手は暖かい、人の手だった。

 その感触に津也が気をとられていると、闇珠が不思議そうな顔になる。

「どうしたの?」

「あ、いや、なんでもない」

 感傷を振り払い、津也は新たな力を思い描く。

 津也が闇珠に求めた力は、銃だった。

「ふうん、カードとは全然違う力をイメージしたのね」

 闇珠はしばらく目を閉じて意識を集中すると、ひとつ柏手を打つ。

「定着完了。装備してみる?」
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