空の神衣
 津也は少し迷って、首を横に振る。

「今はやめとこう。体力も回復してないし…」

 ちらりと見やると、シオンが口を開く。

「決着は必ずつけていただきますわ。ですが、今は戦えません」

 シオンも津也を見て言う。

「一戦終えた戦士には、休養が必要ですわ。今あなたに挑むのは無粋というものでしょう」

 立ち上がって言うシオンに、闇珠はぽつりとつぶやく。

「かっこつけちゃって、ホントは津也と戦いたくないんでしょ」

「それを言っては、野保というものよ」

 シオンは口に手を当てて、おどけてみせた。
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