空の神衣
「じゃあ、ひとまず対決はお預けだな」

 津也も立ち上がり、シオンに手を差し出した。

「必ず決着はつける。その約束だ」

「必ず」

 答えて、シオンは津也の手を握り返す。

 互いに、穏やかな笑みを浮かべてる。

「あのさあ」

 闇珠が割り込む。

「あんまり和みすぎちゃうと、後々やりにくくなるわよ」

 言って、津也の手を引く。

「さ、帰ろ」

「帰るって、どこへ?」

 いぶかしげに問う津也に、闇珠は当然のように答える。

「津也の家に決まってるじゃない。お風呂はあるよね?」

「あるけど…いやお前珠だろ?」

「気分の問題よ」

 言い合う二人を見て、シオンはくすくす笑う。

「まるで、兄弟みたいですわ」

「こんなジャリな妹嫌だよ、俺」

 津也は憤慨する。

「私だって、こんなだらしない兄貴はご免だわ」

 ぷい、と闇珠もそっぽを向く。
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