空の神衣
「お二人とも、よろしいですか?領域を解除します」

 くすくす笑いながら、シオンは剣を頭上に掲げる。

 カッ

 切っ先が光ったと思えた直後、津也にとって見慣れた景色が広がる。

「私も、休養をとらせていただきますわ」

 武装解除したシオンはカードをしまうと、津也に背を向ける。

「またいずれ。それまでご機嫌よう」

「ああ」

 シオンの背中に手を振ると、津也は闇珠にその手を差し出す。

「行くか」

「うん」

闇珠が手を握り返すと、津也はそのまま闇珠を持ち上げる。

「え?」

「この方が速い」

 闇珠は津也の肩に担ぎ上げられていた。
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