空の神衣
「不死身かあ…しかし、それは嫌だな。あ、着いたぞ」

 津也はやや古めかしい家の前で足を止めた。

「へえ、結構大きい」

 津也の肩から飛び降りると、闇珠は珠に手を当てる。

「周りの人には、私のことは親戚ってことにするわ。大雑把に記憶操作したから、適当にごまかしてね」

「なんでもありだな」

 いちいち驚くのも面倒になったか、津也はドアを開ける。

「どうせ両親はほとんど帰ってこないし、空き部屋好きに使いなよ。あ、靴脱げよ」

「待って待って、紐ほどくの手伝って」

 津也が上がろうとすると、闇珠はズボンの裾をつかんで引き止める。

「…だからさぁ、お前珠なんだから、ホントに脱ぐ必要ないだろ」
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