空の神衣
「だからぁ、気分の問題だってば」

 ちっちっ、と人指し指を立てる闇珠に、ブーツの紐をほどきながら津也はぼやく。

「しかし、お前服はどうすんだ。着替なんかないぞ」

「…あ!」

 そこまで考えてなかった、という表情で闇珠は声をあげる。

「珠になって転がっとくか?」

「え~、嫌だぁ。お風呂入りたいよぉ」

「なんで、そこまでこだわる?」

「前の契約者がね、すごいお風呂好きだったの。それでかな」

 どうやら、過去の契約者に関する記憶は残るものらしい。

 紐をほどき終えた津也は、ブーツを脱がせてやる。
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