空の神衣
「さ~て、腹減ったな」

 肩をトントン叩き、台所に向かう。

「私、何か作ってあげようか?」

 後を追いながら言う闇珠を、津也は驚いて振り返る。

「え、お前、料理できるのか」

「簡単なものならね。何か嫌いなものある?」

 闇珠は詰め襟を脱ぎ、シャツの袖を捲る。

「辛いの以外なら、大方いけるけど」

 言いながら、津也は冷蔵庫を開けてみせる。

「あるもの、好きに使っていいよ」

「わ、お肉ばっかり」

 冷蔵庫の中は、卸売りの肉で埋まっていた。
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