空の神衣
 少しだが理解できた津也は、カードに呼び掛けてみる。

「契約のやり方を教えてくれ」

 闘うことに納得したわけではないのだが、シオンの意思を無下にもできない。

 カードの声が答えて言う。

『私に名前をつけてくれればいい。声に出す必要はないよ。今、君と私は意識で繋がっているからね』

 確かに、カードを掲げて一人でしゃべるというのは間の抜けた光景だ。

『私はまだ存在が確定していない。名付けによって、私は君が望む姿に変わる』

『変わる、てことはお前が武器に変わるってことか』

『確定していない、と言ったろう。君が武器が欲しいと思えば武器になるし、盾が欲しいと思えば盾になる』

(なるほど、欲しい装備をイメージすればいいわけか。しかし、名前つけろって言われてもそんなすぐに思いつかんぞ)





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