空の神衣
「カードにつける名前はよく考えてからお決めなさい。適当につけると後で後悔することになりますわよ」

 声をかけてきたシオンに津也は尋ねる。

「あんたは何て名前つけたんだ」

 剣の名前だから「ナントカソード」とかいうんだろうと思っていたのだが、全く違う答えが返ってきた。

「この剣にはイーフリートと名を付けました」

 イーフリートとは東洋神話に登場する炎の神である。

「じゃあ火ぃ吹いたりするのか、その剣」

 燃える剣を想像する津也。

「それは、秘密にしておきますわ。一応これから闘う相手なのですから」

 忘れて欲しかったことを、しかしシオンは覚えていた。

(何とか死なない様に引き分け狙いでいくしかないか)

 闘うこと自体は避けられないものと諦めた津也は、カードに意識を集中する。

『決めた。お前の名前は「影縫」だ』





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