空の神衣
「多分、この近くにいるんだろうね、サバイバーが」

 眉をひそめる晶に、アルゴスは警戒を促す。

「あまりキョロキョロしないで。見えない所から領域展開されたら、相手が何者かも分からないまま倒される」

「あ~、確かに遠距離攻撃とかはいややな」

 晶も真面目な顔付きになり、目線だけを移して周囲をうかがう。

 すると、タキシードにシルクハットの老紳士が歩み寄ってくる。

「ようこそ、マドモアゼル。既に領域封鎖はかけさせてもらったよ」

 言われて辺りを見回すと、人影が全くない。

「…あんたが、ウチらを呼んだんか」

 老紳士の気障な態度にやや引きながら、晶はアルゴスの腕を掴む。

「行くで」

「OK」

 アルゴスは珠の姿に戻り、晶のブレスレットに飛び込む。

「ウチは望月晶。マジで行かしてもらうで」

 身構える晶の両手に、ヨーヨーが現れる。
< 95 / 264 >

この作品をシェア

pagetop