空の神衣
「失敬。正直なところ、小娘ごとき一蹴できると思っていたよ」

 ミシェルはエトワールを左手で構える。

 それを見て、晶は頭を掻く。

「なんや、おっちゃんサウスポーやったんか」

 手加減されてようやく互格では、本気を出されたら勝負にならない。

 だが、ここで倒されていては蒼馬を負うどころではない。

『アルゴス、トップスピナーや』

 少々焦って言う晶に、アルゴスは疑問を投げかける。

『ブレードが効かない相手に通用するかな』

 言われるまでもない。

 晶とて、勝算があるわけではない。

『せやかて、このままブレードで攻めても千日手やんか』

 間合いを開ければエトワールはさして脅威にはならないが、決め手を欠いているのはお互い様である。
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